岡山大学附属小学校PTA講演会「やさしい人間関係の作り方」
10月6日(月)の午前中、岡山大学附属小学校にてPTA主催の保護者向け講演会に登壇させていただきました。10時から12時までの2時間、約60名の保護者の皆様にお集まりいただき、子どもの非認知能力と親子関係について、じっくりとお話しする機会をいただきました。
前半:「非認知能力」を正しく理解する
講演の前半では、まず「わからないものは怖い」という話からスタートしました。お化け屋敷はなぜ怖いのか?それは「何が出てくるかわからない」からです。教育も同じで、よくわからないまま不安を抱えている保護者の方が多いのではないでしょうか。
近年、教育現場で「非認知能力ブーム」とも言える状況が起きています。しかし、ここで立ち止まって考えたいのが、「非認知能力」なのに無理くり「評価」しようとしていないか?ということです。
非認知能力とは、テストの点数では測れない力のこと。それなのに、数値化して評価しようとすることの矛盾について、保護者の皆様と一緒に考えました。
後半:実践!良い親子関係を築く4つのコツ
後半は、より実践的な内容に入りました。良い親子関係を築くための4つのポイントをお伝えしました。
①子どもの挑戦を肯定する
子どもが「やってみたい」と言ったとき、つい「危ない」「無理」と言ってしまっていませんか?
②判断は子どもにさせる
親が先回りして決めるのではなく、子ども自身に選ばせる経験を積ませることが大切です。
③失敗を経験させる
失敗から学ぶことは、成功体験以上に子どもを成長させます。
④頑張りを褒める
結果だけでなく、プロセスを認めることで、子どもの内発的動機づけが育ちます。
気づいていますか?無意識にやってしまう『毒親的行動』5つのパターン
そして、多くの保護者が最も関心を示されたのが、この「毒親的行動」についてでした。誰も意図的に毒親になろうとしているわけではありません。むしろ、「子どものため」と思ってやっていることが、実は子どもを苦しめていることがあるのです。
パターン1:過干渉型~「子どものため」という名の支配
善意の押しつけが、子どもの自立を妨げていませんか?
パターン2:感情不安定型~親の機嫌で家の空気が変わる
親の感情の波に、子どもが振り回されていませんか?
パターン3:比較・否定型~「○○ちゃんは」「あなたはダメ」が口癖
他の子と比べることで、子どもの自己肯定感を下げていませんか?
パターン4:期待押しつけ型~親の夢を子どもに託す危険性
自分が叶えられなかった夢を、子どもに背負わせていませんか?
パターン5:無関心型~放任と見守るの決定的な違い
「自由にさせている」と「関心がない」は、まったく違います。
今回の講演では、こうした理論的な話だけでなく、普段の生活の中で起こりそうな親子関係のちょっとしたやりとりを具体的にお話しすることを意識しました。「あ、これ、うちでもやってる!」と思い当たる場面があったかもしれません。
活発な質疑応答
講演後の30分は質疑応答の時間としましたが、次々と手が挙がり、ひっきりなしに質問をいただきました。
「うちの子、最近反抗期で...」
「兄弟で性格が全然違うのですが...」
どれも切実で、具体的な質問ばかりでした。
さらに、閉会後も個別に質問のある方が何名もいらっしゃり、一人ひとりのお話をじっくり伺わせていただきました。皆様、本当に真剣に子育てと向き合っておられるのだなと感じました。
今回の講演を終えて
親子関係を非認知能力と合わせて話すことへのニーズの高さを、改めて実感しました。「テストの点数」だけでない子どもの力を伸ばしたい。でも、どうすればいいのかわからない。そんな保護者の方々の思いが、ひしひしと伝わってきました。
子育てに「正解」はありません。でも、「より良い方向」は必ずあります。今回の講演が、保護者の皆様にとって、少しでもそのヒントになれば幸いです。
学校・PTA主催の講演会を承ります
今回のような講演会を、あなたの学校やPTAでも開催してみませんか?
子どもの非認知能力、良い親子関係の築き方、具体的な声かけの方法など、保護者の皆様のニーズに合わせた内容でお話しさせていただきます。ご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。条件などお伝えいたします。
子どもたちの未来のために、一緒に考えていきましょう。
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